まど猫スケッチ

カメラを手に感じてきた雑感を回想する

その48.ソニー RX100M6 密度=無限大

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◆出会い

NikonのA1000をコンパクトカメラとして使ってきましたが、ある日、背面にあるグリグリ回転ダイアルが壊れてしまいました。

物理的にではなく、電気的に接触がおかしくなった模様。回転すると設定がいきなりギュイーンと飛ぶようになってしまい撮影操作不能。故障修理に出すことも考えたものの、気晴らしに今どきのコンパクトカメラはどんなものかをネットでテロテロみてみました。

そうしたなかで思ったのは、デザインで惹かれるものがなかなか無いなあということです。

パナソニックのLX100の2代目が出てますが、このカメラ、起動してない時はgoodながらレンズを繰り出すと間抜けた印象になることを所有してたので知っています。それに実用面でいうとファインダのコントラストが低く撮る気が失せたことも。

 

ソニーのRX100のシリーズ。こいつはカッコインテグラであることを初代が出た2012年からわかっている。なのですが、いかんせん値段が高い。ヨドバシカメラさんに行って買う気はないのにいろいろイジりまわした頃の5年近くの感想でいくと、ホワイトバランス設定の専用ボタンがないことや、展示品の塗装があちこち剥げていることから「ふふん、所詮その程度なのだね」と負け惜しみ(何に対して?)していました。

それでも、2018年発売のRX100m6の引力はなかなかに強力でした。

200mmまでのズーム。A1000は更に超望遠までカバーするものの、手ブレやレンズ性能を考えると手持ちで扱えるのは400mmくらいまでとすると、このRX100m6の2倍デジタルズーム=400mmとどっこいとなる。どうなの、この勝負。となります。

そしてファインダがワンタッチで作動と格納ができてしかも電源を兼ねる。写真はファインダで覗いて構図を整理して撮るという流儀が身についているので、この機能はドンピシャ。そうはいってもA1000だったらファインダを出したり引っ込めたりしないでもすぐ覗けるじゃん、ということではありますがそのファインダで見た倍率がちっちゃいのと見栄えがLX100とは逆にコントラストが高すぎて違和感有り。

これは実機をみてファインダを確認せねば、とヨドバシカメラさんに行きました。その前調べとしてm6は生産終了で展示品すら置いてないことは知ってましたがその次のm7があるだろう、と。ハード的には変わらないだろうと思ってファインダを観察してみました。最近はコンパクトカメラの人気が無いのか、他のお客様と展示品占有を巡る暗黙の死闘をすることなく十分に調査することが出来ました。

え、これ見やすいし大きい! 

というのが第一印象。見やすいというのはコントラストが適度であり、また画素のギザギザもめだたない、黒が黒として締まっている。大きいというのは、それまでのフィルムカメラも含めたコンパクトカメラに比べると明らかに広くみえる。そして、これが眼鏡野郎にとっては大事なのだが、多少の視点のズレがあっても良く見渡せる。遠近両用眼鏡をかけていると、視点のズレで像が急に見えづらくなるファインダが結構ある。A1000もLX100もその傾向がありました。しかし、RX100m6(とたぶん一緒であろう)m7にはそれが無い=見るときの難儀がない。

ここまでで30分くらいか、幸い自分一人しか触ってない状況でさらに観察を続けると懸案だったホワイトバランス直接操作は背面ボタンに機能を割り当てることでクリアできることを発見。この発見その他に費やした時間が更に30分。デパートに行くと行って別行動している嫁さんとの夕飯の待ち合わせ約束時間まであと15分。レストランに行く時間を徒歩10分とみてあと5分。焦りは最高潮。

そんなとき、店員さんに声をかけられました。「いかがですか、あたらしいm7は動画撮る方にも向いてますよ。」「え、これm7なのですか、m6と思ってました。動画は撮らないのでm6はありますか。」「m6は今は生産終了してこのm7になっています。」「そうですか。動画撮らないからなあ。では、また来ます。」m6がもうお店には無いことを承知の上での逃げ口上を吐きながら野茂茂雄並のポーカーフェイスで切り抜けレストランに向かいました。

ヨドバシカメラさんには無かったがamazonとかであればまだ新品はありました。ただし、お値段が高い。この値段ならAPS-Cのカメラと高倍率ズームの組み合わせも視野に入ってくる値段。どっちを持った方が幸せか? 全然趣向の違う2つを比べるという迷いが生じます。小学3年生が将来の職業に落語家を目指すか手品師になるか思い悩む、それに近い。

では、中古は? 過去にもコンタックスRXを中古で購入し大満足したことがあります。良い個体に当たればカメラへの愛着は変わりません。

よし、コンタックスRXを買った梅田フォトサービスさんのHPを見よう。しかし、このお店にはRX100m6はありませんでした。

だんだん高まる中古熱は、いよいよ殿堂ともいうべき地図写真機さんに行き着きました。当たり前だが新品よりは安い。概ね2万円くらいでしょうか。以外に差は小さいと思いました、というのはコンタックスRXのときは新品の半値だったからです。

ところが。

ある日、その地図写真機さんのズラリとならぶRX100m6の中古の中に、良品ながら他よりも2万円安い個体を一体だけWEB販売限定で見つけました。さらに4000円分のポイントを付けると。さらに純正の予備バッテリが付くと。レンズまわりに傷ありとのことだが、写真を見るかぎり目立たない。ええーい、ポチ!!

手に入れました。

SONYのロゴの入った箱をあけて本体を手にとると、新品同様といってもよいくらいのコンディション。機能的にパチパチとってみた感じでは問題ない。これで今年の運は使い果たしました。

 

◆ファインダ、そしてホワイトバランス

ソニーのミラーレス一眼のファインダは他社に比べて今一歩ということを月刊カメラマンに頻繁に書かれていたのであまり期待はしていませんでした。一眼でそうならコンパクトカメラのソレはもっと酷いであろう、と。

ところが、m7を覗いて驚愕したのが購入に至った一つの理由でした。

m6はどうか。m7と変わりません、良く見える性能の高いファインダです。ニコンのZfcのファインダに比べて思いっきり落胆するということはなく、日中でも良く見え、そして背面モニタとの見映えの違いが多少はあるにしても違和感がないレベルに抑えられています。

このファインダ、作動させる時にボディ左横のスイッチを押すと勢いよく上に飛び出します。いつかは本当に飛び出して大気圏から監視している気象衛星ひまわりを撃墜しないか、そしたら明日の天気がわからなくて食品の買い出しに傘持っていった方がいいのか判断つかないじゃないか、そんな事にならないようにファインダの頭を中指で軽く押さえながら作動させるクセがつきました。

視度補正調節がファインダの上にあって、これが飛び出しの勢いでずれそうなのでボンドで固定しました。

ホワイトバランスは背面のOKボタンに割り当てることにしました。しかし、意外にホワイトバランスをオートに設定して外れているということはありません、結構当たっています。外れていても、上のように機能を割り当てたことで、色温度をファインダを見ながら変える操作が簡単にできるようになりました。当初というか数年前に思っていたホワイトバランス操作にかかわる懸念は、m6という機種では問題にならないことがわかりました。

◆画質にはひと工夫

もともと使う目的がA1000を使っていた時と同じくスマホのレンズではできないことをする、ファインダで覗けるとか望遠でも画質が落ちないとかにありました。ファインダについては十分すぎるレベルであることがわかったので後は画質です。

あれ。あれれ。

というのは、撮った写真をパソコンに取り込んでみるとセンサーサイズが小さいA1000とさほど変わらない印象に見えたからです。

しかし、これをつぶさに観察すると2つの理由があることがわかりました。

一つは単純にA1000の画質が良い。このニコンのコンパクトカメラはデザインも中途半端だしボディ外装の質感もないしファインダやモニタの画質も黄色がかって感動しないし。超望遠が売りだけのどっかの会社に設計含めて委託して作らせてニコンのバッヂだけ貼ったカメラでしょう、という印象なのですが写りはかなり良いのでビックリしたカメラです。

RX100m6も写りは良いです。APS-Cミラーレスでこれより悪いメーカーがあることを使って知っているので、それよりもセンササイズは小さくf値は暗いのになぜかボケ味は多くしかも自然だし、解像もかなり効いている。しかし、撮影した中にボヤッとしたのが時折混ざる。このもう一つの理由がわかりました。

手ブレです。手ブレ補正の効きがニコンのようには効かない。

まるっきり効いてないわけではなく、ニコンのノリでこの程度は100%効くだろう、のところの歩留まりが悪い。ペンタックスの手ブレ補正に似た印象です。特に、カメラを上に向けたり下に向けたりで水平に対し角度が30度を超えるところだと効かない頻度が増えるように感じる。

ここは使い方というか設定の工夫がいるところで、シャッター速度の限界を1/30秒にしました。これで、通常使う50mmでは手ブレなく、200mmでもそこそこ効かせることができます。しかし、50mmで1/30秒というのは手ブレ補正がなくても昔のフィルムカメラでは常用していたシャッター速度なのでどうだろう、という気もしますが、デジタルで等倍確認できる現在はかつてよりもピントの見方が厳しいのでそんなものかなと思います。

あと2つ、画質の設定のところで「より良く」を目指してイジったところがあります。

一つは感度です。

オートISOの上限を1250までにしました。そこを超えて1600、2000となると少しノイズが目立つ場面が増えてきます。感度を上げてノイズを増やしてでも手ブレを防ぐか悩ましいところではありますが、このカメラの安定画質をなるべく維持することを試行錯誤してISOは1250,シャッター速度は1/30を限界とすることにしました。

なお、撮るモノの照度が低くて、1/30と1250の範囲ではカバーできない場合どうなるかというとシャッター速度の1/30の方がスロー側に移行して対応する仕組みになっています。よほど低いシャッター速度になることを考えてテーブル三脚を準備しておけば、設定をその時々でイジることを気にせずに撮影に没頭することができ画質も満足なレベルを維持できました。

もう一つ、それはシャープネスです。

オリジナルの状態ではキツすぎるので-2に設定しています。それでもピント面の解像は他のカメラと同等くらいに落ち着きます。その変わり、コントラストを少し上げることでややフィルムらしさが出るというか、常に使っているニコンのミラーレスカメラに近い印象の画像が得られるようになりました。

ソニーの画質はニコンに比べて悪いといった内容の記事をみかけますが、FUJIFILMやキャノンよりはコンパクトカメラながら良いと感じます。これは人によって見るところが違うので一人のコメントとして留めます。

これだけ小さいサイズということを考えれば良好な画質です。

意外にニコンのA1000も馬鹿にならないな、と思い直したところもあります。

ところで、撮影したあとにライトルームで調整することをこのカメラでもしていますがRAWで撮ることはせずJEPEG最高画質で残しています。その理由はもともとレンズのf値と撮像素子のサイズからしてボケ味とかには制約がありますし、内部で処理されるJPEG画質が結構綺麗なためです。ライトルームでは水平出し、露出調整、色温度調整といった程度の軽い処理で済ませています。

◆レンズ

十分な性能です。24から200mmのどの焦点域でも歪曲が目立つことはありません。そして周辺光量も豊かです。高倍率ズームの場合、この2つが破綻していなければあとはボケ味を見にいきますが、それも普段使う上で問題になることはありません。

解像性能についても、ミラーレス一眼のように眼の覚めるようなキレはなくても等倍鑑賞にも耐えるレベルを維持しています。APS-Cの一眼を普段使っているならば、そこからの落差はコンパクトカメラであることを考えると案外に小さい、その程度に良くアレンジされています。センササイズが大きいと言われているパンソニックのLX100より先鋭な画質です。

撮影モードをMRにしておけば、前回にズームした焦点距離が次に電源ONしたときにも記憶されているので好きな焦点距離ですぐ撮影できます。コンパクトカメラでは、起動の度に最小焦点距離になるものが多いので50mmの画角が好きな身としてはとても助かります。

さて、200mmをデジタル拡大してシームレスに400mmまでいけますが、その画質は明るいところでは良いものの暗いところではさすがに荒れ気味になります。いつでも使えるデジタルズームでは無いということがわかりました。

◆操作性と機能

ボディが小さいのでボタンやダイヤルの操作性はミラーレス一眼より劣るのは仕方ありません。しかし、ファインダを覗いて撮る時には、ポップアップしたものを覗くので頭と手の間に間隔ができるためか窮屈過ぎて使えない、ということはないです。

機能についていうと、ミラーレス一眼同等といえる詳細なメニューが用意されています。コンパクトなのにここまで必要か? と感じることはありません。

カメラを使いたい気持ちの中には、使う使わないに関係なく、自分の思い通りに機能をコントロールしたいという部分が少なからずありそれに応じてくれる=普段使っているカメラと同等の所有欲を満たしてくれます。カメラではない簡易的な代替ブツを扱っているという気分を持たずにすみます。

カタログをみればオートフォーカスの速度が早いとかマルチショットNRがあるとか、値段が高いなりにCPUも高級なものが奢られているだろうことがわかります。

個人的はそこの嬉しさよりも、コンパクトながら三脚座をレンズ側にできるだけ寄せてくれているとか、端子ごとに開閉蓋が分かれているとかそういう部分に実用的にも審美的にも魅力を感じました。

◆目立たないけど、くすぐる部分

m6に限らず、ソニーのRX100といえばシリーズを通して随分とカメラ雑誌やWEB記事にレビューが書かれています。

そこにはあまり書かれていない、だけど個人的には感心したことをいくつか挙げてみようと思います。

フラッシュ;

小さく薄くガイドナンバーも低いものなのでお飾りのように見えますが、オートISO感度の上限を1250まで取れば意外に遠くまで光が届きます。短い距離を写す場合でも光量のまわり方が良い。フィルムをつめていた頃のコンパクトカメラのフラッシュのようなものかとナメているとそんなことはない。フラッシュ内蔵デジタル一眼レフのようにしっかり制御が効いています。

200mmの望遠側で屋内の遠くのもの(といっても6m程度)を撮る時、どうしてもシャッター速度が落ちてしまうのを避け手ブレを抑える効果があること以外に、フラッシュの照射範囲の中のごく一部だけを切り取ることになるので効率悪い撮し方にはなりますが均等な光が望遠画角いっぱいに広がるので光ムラの無い綺麗な写真が撮れます。

電池蓋;

電池の出し入れをする時の底面にある蓋。この蓋を開くと、バネの力によっていつまでもフーコーの振り子のようにビロロ~ンとパタパタ振動して安っぽいものがコンパクトカメラでは多いですが、このカメラのそれは割とピタッと止まって気持ちが良い。

そして、電池と同じ収納部にSDカードの出し入れがあるのはコンパクトカメラ共通であるものの、その蓋に電池とカードを分けた彫り込みがされているおかげで蓋の安っぽさが随分と緩和されています。そのヒンジが金属同士で三脚座とつながっている所もメカっぽくで好きです。

チルト液晶;

これは回転角がどれだけ回るとかの機能的なことはさておいて感心するのはその小ささ。というか横幅の狭さ。

大抵のカメラのチルト液晶の可動部分はミラーレス一眼も含めて液晶画面自体の横に結構なスペースが取られています。m6にかぎらずRX100のシリーズはこの幅が狭いおかげで10cm程度しかないカメラの幅にチルト液晶がスポッとはまっています。

このハマり感を増しているのが液晶の上にボディ側からお迎えするように出ているヒサシ。このヒサシのせいでチルトを上に回転させると思い切りボディと画面が干渉しているものの、それよりもハマり感を優先させるセンスというか心意気が潔くて良い。

◆よく言われるネガ部分その①:電池の減り

300枚程度 というのが公称値のようです。

動画を撮れば更に電池の減りは早いことでしょう。

これをどう捉えるかかですが、動画は撮らないし日中の撮影枚数は多くてフィルム3本分つまり100枚程度がデフォルトになっている身としては困ったことはありません。

いざとなればマイクロUSB端子を介して充電したり給電使用が出来ます。その充電元がない時に電池が切れた、そうなったらカメラで撮ることをあきらめてどうしても記録したいものがあればアイフォンで撮影すれば良いと思っています。

アイフォンは黒の締りがなく色もやや浅い気はしますが、昔のフィルムカメラに比べたらメチャクチャ綺麗にとれます。カメラをイジる楽しさは無いですし画角も限られますが、写真が撮れなくて困るということはスマホのおかげで今の時代では無くなりました。

少し前の頃は携帯の写真ではカメラの代わりには到底成りえず、そしてそのカメラも本体から電池を外して専用充電器で充電時間を2時間以上待たねばならない状況だったので電池の持ちというのがとても大切でした。今はそういう時代では無いと思うのです。

今このブログを書いているNECの少し古いノートパソコンはバッテリ容量を増やすために底部の一部が盛り上がっていて元々狙っていたであろうデザインをスポイルしています。モバイルバッテリが汎用的に使われている今、ハンディ掃除機のように大出力を要さないのであればデザイン万歳、すなわちこのRX100シリーズの方向で構わないと考えるようになりました。

 

◆良く言われるネガ部分その②:持ちにくさ

これは箱から取り出した状態ではその通りです。ツルツル滑ってつかみどころがない。加えて、結構な密度というか重さがあるので真っ先に思うのは「落とさないか」という心配です。

ソニーではRX100に応じた別売の樹脂のようなゴムのような専用グリップを用意しているので、地図写真機さんの4000円ポイントで液晶フィルムと一緒に購入させて頂きました。

このグリップをつけると途端に保持が安定します。

それならば、なぜ最初からRX100に同梱しないのかとも思いますが、無くても構わないのに余計なものを価格に乗せるなという人もいるのかもしれません。

なお、これまで手にしたカメラの中にはグリップの材質が加水分解してベトベトになったり膨らんでしまうものがありました。そういう場合でも、メーカ純正の別売でこのようなグリップがあるというのは心強いです。劣化したらグリップだけ自分で付け替えることができるのは長く使うことを考えると嬉しい配慮です。

ところで、ボディ右側にグリップをつけると何もない方の左側が余計滑りやすくなったように思えたので、AMAZONで購入した革シボのビニールシートから左側のカタチに合うようにハサミで切り出したものを両面テープで貼り付けて使っています。気のせいかもしれませんが、より滑りにくくなりました。

 

スマホ連携

アイフォンのことに少し触れたので、スマホ連携についても述べるとこのカメラも連携用のアプリが用意されています。撮影したものを2MBに縮小してスマホに転送できるようになっています。

ニコンのようにブルートゥースでつながるとか確実につながっているとかの感覚はないですが、使えるレベルには十分達しています。

使い勝手や接続の確実さは明らかにニコンの方に軍配があがります。

 

◆このカメラの価値

このカメラは冒頭でも挙げたようにソコソコの値段がします。

昔のように写真はカメラでしか撮れない時代であれば、コンタックスT3のように小さくてもそこにカメラらしい品位を感じて手にとったりしましたが、今はスマホで十分に綺麗な写真が撮れます。

撮る、ということの延長にカメラというモノを必要としなくなってきている中で、これだけの価格を認めて手にする価値とはなんだろうと思うと、

それは結局は操作する、手の中で操る、眼で覗く、そういうことに行き着く気がします。それならそれでパナソニックのLX100のようにダイヤル設定を重視したカメラづくりもありますが、操作するとはダイヤルをいじることではない。

ファインダで覗いた外界が指先のシャッター一つで自分のものに切り替わる瞬間、それが写真だとしたらその切替が無理なく意のままにできるモノがカメラということもできる。

RX100m6の先代からひきつぐファインダへのこだわり、外界を歪み無くとらえるレンズ性能、これらがこの「カメラである」という一点に集約しています。

そして、これがRX100m6の価値だと思っています。

 

ニコンZ7Ⅱを持たない外出の時には、このカメラを純正の縦型ケースに入れて持ち運ぶことが増えてきました。

どちらもカメラなのです。