まど猫スケッチ

カメラを手に感じてきた雑感を回想する

その8.ビッグミニの さりげなさ

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◆出会い

先に富士フィルムのトラベルミニの話を書きましたが、これはそれから1年ちょっとして買ったコニカのビッグミニ。3代目のBM-301になります。なぜ欲しかったかというと、トラベルミニの28mm画角がどうもしっくりせずオーソドックスな35mmを使ってみたかったからです。昔のコンパクトカメラは38mmのレンズが多く、それに慣れた目には28mmだと画面が散逸で整理しきれなかった。もう一つトラベルミニと比べると、前面だけとはいえアルミ金属が使われておりスムーズな質感を手で楽しむことができました。

◆小さいが写真機の質感

この3代目の2代目とのデザインの違いはレンズ沈胴鏡筒が丸型になり、右側に別部品でストライプが縦に通っていることでしょうか。前者は、よりカメラらしい雰囲気を醸し出し、後者はカメラを構えるときにちょうど右手の指のすべり止めの役目を果たし疑似グリップ的な実用面も備えています。シャッターを切ってからのレスポンスはトラベルミニより早く、画角を捉えやすい35mmファインダもあってパチパチさりげなく撮れる印象がありました。レンズは開閉バリヤでなくスカイライトフィルタで保護されているので、本当にポケットからさっと出してすぐ撮れる、しかも割と近くまで寄れる。写真を撮り終えて裏蓋を開けると、レンズの後玉がウズラの卵を半分にしたような大きさがあり、見ていてワクワクしました。写す部品であるレンズが大きいのは気分いいものです。今は、コンパクトカメラは裏蓋が開かない、というかもともと無いので、このようにレンズを裏からみて感動することは出来なくなりました。

◆写してみて

写真はどうか。4スミが落ちた光量不足になるのをこの時代のコンパクトカメラの常として気にしなければ、そこそこ線が細く諧調も出てピントの合ったものが撮れます。メモ目的だけでなく、旅でふと目についたものを自分で楽しむイメージとして残すには十分です。そして、フィルムとの相性でいうと何故か競合メーカである富士フィルムのISO200ネガフィルムを入れたときがもっとも色彩コントラストが高く映える写真が撮れました。100でも400でもなく、コダックでも小西六でもなく富士フィルムISO200が良い。

◆故障知らず

さて、今調べてみると、ビッグミニのシリーズは持病のように裏蓋の電気フレキの断線により故障する確率が高かったようです。幸いそのような目に合わず、(そんなカメラであることも知らず)ケースに入れることなしに結構乱暴に扱ってました。そこで唯一困ったのは、ファインダの表側が測距機構を覆う透明プラスチックで一緒に覆われているため、傷がつきやすかったこと。このカメラでの撮影を知らない方にお願いすると、ファインダを覗くやいなや「こんなにレンズが汚れていて大丈夫ですか」と言われたこともありました。その頃は、ファインダで除く像はレンズ越しで見ていると思っている方も結構いた時代だったのです。

◇次回:レンズ、これをどうやって守るか。一つの答え、一つのカメラ。